ゲームの行方 エリザベス・ゲイジ
波瀾万丈ストーリー! 並外れた頭脳と美貌を持つヒロインが、大企業の陰謀に巻き込まれながらも草創期のコンピューター業界でのし上がっていくお話。読み始めたら止まらない面白さでした。シドニー・シェルダン風の、愛憎渦巻くジェットコースターのようなストーリーで、ロマンスの要素が多めのサスペンス、という感じかな。(サスペンスにしてはラブシーンがやけに多いけど、かなりえぐいところもあるから、所謂ロマンス小説とは少し違う気がする。)ヒロインのフランセスカは、ハンサムで野心家のジャックと、優しくて安らぎを与えてくれるサムという2人の男性に愛されるけれど、そのロマンスもどう転がっていくかわからなくてハラハラします。ヒロインは賢くて美人だけど、純粋で脆いところもあり、酷い裏切にあって傷つきながらも、卑怯な大企業を出し抜こうと頑張る姿についつい感情移入してしまいました。上下巻で結構長いんだけど(と言っても、この作者はすごい長編ばかり書いているので、その中では短い方ですが。)、結末が気になって一気読みでした。これは1993年に扶桑社ミステリーから刊行された作品ですが、その頃は、扶桑社の文庫にロマンスのレーベルがまだなくて、同じ作者の作品が、この後扶桑社ロマンスから刊行されています。古い本だけど読んで損はない傑作だと思います。