天才富豪とローリの真夏の約束 ヴィクトリア・ダール
V・ダールの人気シリーズ、Tumble Creekの2作目。 前作「モリーの言えない秘密」は少し前に読んで、(電子書籍で流し読みしたので細かいところまでは把握できていないかもしれませんが、)ヒロインのモリーがかなり変わり者で、掴みどころのない不思議ちゃんだったため、イマイチよくわからないイロモノ的な作品という印象を受けたのですが、この「天才富豪~」は、前作よりは読みやすいストーリーになっていて、気の毒な境遇のために夢をあきらめ、自分のことを負け犬だと言うヒロインのローリの気持ちに共感できて良かったです。ヒーローはオタク系(でもハンサムで腹筋も割れているのがアメリカン)で、普段は女性よりも建築に夢中なんだけど、ヒロインに対してはワイルドな一面を見せるという、まさに最近日本でもてはやされているロールキャベツ男子(?)のようなキャラクターで、お互いに夢中な二人のロマンスはとっても熱かったです。ヒーローはオタク君のくせに、縛ってみたり命令したり、なんだか激しいのですが、最近はこういうのがウケるみたいですね。トレンディなキャラクターのいまどきのロマンスという感じかな。ヒロインの父親が亡くなった事件と不動産に関するちょっとしたサスペンスも面白かったし、最後まで楽しく読めました。次作は、今作ヒーローの秘書がヒロインらしいです。今作が割と面白かったから、次も期待できるかな? 巻末にジュリー・カガワの「フェアリー・プリンセス」の宣伝が載っていたけど、これはティーン向けの小説ですよね。力を入れて宣伝してるみたいですが面白いのかしら。何年か前だけど、アメリカのハーレクインから出版された、Maria V. Snyderという作家さんの"Poison Study"っていうヤングアダルト向けのファンタジーが結構人気があって、その時にアメリカのハーレクインはティーン向けの小説も出しているってことに気づいたのですが、翻訳は出そうにないなと思ったんですよね。しかし日本のハーレクインもヤングアダルト小説を出すようになったのですね。でも「フェアリー・プリンセス」はあらすじを読んでもあまり興味をひかれないなあ・・。