L0VE DRUNK

ロマンス小説の感想

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

700年後の魔法使い テレサ・マデイラス

The Lennox Family Magic シリーズ「100万ドルの魔法使い」の続編。 このシリーズは著者の比較的初期の作品だからか、少し荒削りな感じがしました。タイムトラベルものですがあまり緻密さはなく、かなりざっくりしたストーリーです。マンガっぽいというか…

ふたたび、恋が訪れて カーラ・ケリー

カーラ・ケリーのRITA賞受賞作。 これは本当に心温まる良いお話でした。離婚した侯爵と子持ちの未亡人のロマンスで、派手さはないけれど2人の気持ちがとても丁寧に綴られていて話に引き込まれました。未亡人のロクサーナは不幸な境遇にもめげずいつも前向き…

サイズ12はでぶじゃない メグ・キャボット

ヤングアダルト作家のメグ・キャボットが書いた大人向けのミステリ作品。 M・キャボットは結構読んでいます。YA小説の「メディエータ」シリーズは面白かったし、アーサー王伝説を下敷きにした「アヴァロン」や、eメールの文章だけで綴った「となりのボーイフ…

真夜中の愛でつらぬいて エマ・ホリー

Fitz Clare Chronicles 3部作の最終作。 この3作目はグレアムとペネロペが活躍してます。何となく前の2作から少しだけ軌道修正して、作者がもう少し真面目にヴァンパイアの世界を描こうとしているような印象を受けましたが、内容的にヴァンパイア同士の抗…

真夜中の運命に抱かれて エマ・ホリー

Fitz Clare Chronicles 2作目。 囚われたエドマンドを家族みんなで救出に行く話で、エマ・ホリー流にちょっとひねった家族愛が描かれています。バンパイア小説なんだから誰か人間を変身させなくちゃ、と作者が考えたかどうかわかりませんが、エドマンドの息…

真夜中にかわす口づけ エマ・ホリー

Fitz Clare Chronicles 3部作の1作目。 先日、古本店に行ったらエマ・ホリーの真夜中シリーズ3作が揃っていたので、特別好きな作家というわけではないけれどまとめて3冊とも買ってしまいました。ぱらぱらと見たところではMI5とかが出てきて面白そうかな…

ふいにあなたが舞い降りて リサ・クレイパス

今更ですが、リサ・クレイパスの初期の邦訳作品を読みました。 女流作家と出版社の社長の恋なので作者の妄想を小説にしたのかと思いましたよ。1800年代らしからぬ設定ですが面白かったです。クレイパスの著書の中でも特に官能的な作品でした。 冒頭から興味…

侯爵に甘いキスの作法 ローラ・リー・ガーク

Girl-Bachelor Chronicles の3作目。1作目は読みましたが2作目は読んでいません。 この作品は時代設定が1895年ということで、割と現代ものに近い感覚で読めます。パティシエのヒロインが侯爵にタメ口をきいています。(幼馴染だからということもあるでし…

愛を刻んでほしい ロレイン・ヒース

南北戦争時代のアメリカが舞台です。ロレイン・ヒースはリージェンシーもいいけど、こういうウエスタン・ロマンスが素晴らしいと思います。 ロマンス小説で魅力的なヒーローを造り出そうとすると、どうしてもわかりやすい男らしさを描いてしまいがちだと思い…

ダイヤは密かにきらめく エリザベス・ローウェル

この作品は著者が92年に別のペンネームで書いたものを改稿して2004年にエリザベス・ローウェル名義で出版したのだそうです。 この作家は私は初めて読みましたが、割と有名で邦訳もたくさん出ていますよね。この作品はオーストラリアの鉱山でのダイヤモンドの…

誘惑は海原を越えて ジョアンナ・リンジー

華麗なるマロリー一族シリーズ4作目。 前作からマロリー一族にアンダーソン兄弟も加わり、ますます登場人物が増えています。私はシリーズものでもあまり気にせず順不同で読んでいますが、このシリーズはちゃんと順番通りに読んだほうがいいですね。 今作の…

舞踏会の夜に魅せられ/風に愛された海賊 ジョアンナ・リンジー

華麗なるマロリー一族シリーズの2作目と3作目。 1作目はずいぶん前に読んだのですが、続きを読んでいなかった。2作目を読んだら面白くて続けて3作目も読みました。(内容も2作目の終わりと3作目の最初がオーバーラップしています。)ジョアンナ・リン…

忘れえぬ嵐 ナーン・ライアン

ナーン・ライアンは初めて読みました。 この作家はこれまでMIRA文庫とオーロラブックスから刊行されていて、最近マグノリア・ロマンスからも出版されたので、複数の出版社から出ているということは面白いのかもと思い、MIRA文庫の古い作品を読んでみることに…

ずっとずっと好きだった キャサリン・オルレッド

中編が2作入っていて、割と面白かったです。どちらのお話もきれいにソツなくまとまっていてすらすら読めたんですが、あまり特徴のない作品でした。何だかどこかで読んだことあるような話だなあと。こういう短めの作品はあまり粗が目立たないけれど個性も出…

運命の結婚はすぐそばに ジュリア・クイン

ジュリア・クインの新作。Agents of the crown2部作の2作目。(どうして1作目を先に出さないんだろう?) ジュリア・クインらしいとても楽しい作品でした。ブリジャートンシリーズのような雰囲気で、レディ・ダンベリーも出てきます。貧乏なヒロインが家族…

めぐりゆくケルトの瞳 エリン・クイン

Mists of Ireland シリーズ1作目。タイムトラベルものです。勝手に中世の騎士とかが出てくると思っていたら違いました。(あとがきによれば2作目は中世が舞台だそうです。) 冒頭から話に引き込まれ、展開が気になって一気に読んでしまうくらい面白かった…

聖人を誘惑して ケイト・ムーア

sons of sin という庶子の3兄弟を主人公とするシリーズの1作目です。 これはあまり面白くなかったなあ。作者はロンドンの貧民窟を舞台にしたサスペンス色の濃いロマンスを描きたかったのでしょうが、そのサスペンスの出来がイマイチでねぇ。この手のロマン…

大富豪と結婚しない理由 ロビン・ケイ

軽く読める作品で、くすくす笑えて面白かったです。 ニックはハンサムでお金持ちで家事もできるといういかにもアメリカ女性が考える理想の男性ですね。あまりに出来すぎで、こんな人絶対いるはずないよと思いましたが。それに会社を経営していたら忙しいだろ…

きらめく菫色の瞳 マデリン・ハンター

Rothwell シリーズ1作目。マデリン・ハンターは以前「罪つくりな淑女」を読んだことがあり、それはあまり好みではありませんでした。 これは英国の恐慌と銀行の破綻にまつわるミステリーが興味深い作品で、ロマンスは大人っぽい落ち着いた雰囲気ですが結構…

月夜に輝く涙 リズ・カーライル

リズ・カーライルはヴィレッジブックスの「今宵、心をきみにゆだねて」を以前読みましたが内容をあまり詳しくは覚えていなくて、今作の主人公も出ていたようですが記憶にありません。 この作品はRutledge Familyの3作目ですが1、2作めは未訳で、しかも他…

かりそめの蜜月 クレスリー・コール

MacCarrick Brothers3部作の2作目。次男のヒューが主人公です。 1作目を読んだときに、この3兄弟はみんな似たようなタイプだと思いましたが、ヒューは前作の主役のコートよりは繊細で、一人の女性にずっと想いを寄せている一途な人でなかなか素敵なキャラ…

宿命の王家の花嫁 クレスリー・コール

クレスリー・コールがローアシリーズの前に書いたMacCarrick Brothers3部作の1作目。ローアシリーズの最初の2冊は少し前に読みました。 舞台は違えどローアシリーズと同様、アクション系のロマンスです。野蛮なスコットランド人のコールとレディなのにや…

狂おしき罠 ロクサナ・セントクレア

この出版社から出てるロマンティック・サスペンスは、チェリー・アデアを2冊くらいとタラ・ジャンセンを読みましたが、悪くはないけどいまひとつといった印象でした。この作品もそんなに期待はせずに、面白かったら儲けもんくらいの気持ちで読みました。 サ…

あなただけが気になる コニー・ブロックウェイ

コニー・ブロックウェイは初めて読みました。 主役2人とも可愛らしい感じで、そういうキャラが新鮮で良かったです。謎解きもそれなりに面白く、まとまりの良い作品だとは思いましたが、全体に軽めでロマンスもわりと薄味だし、ミステリ部分もそんなにドキド…