L0VE DRUNK

ロマンス小説の感想

2012-01-01から1年間の記事一覧

結婚をめぐる十箇条 花嫁たちに捧ぐ詩 他

ヒストリカルのアンソロジーを2冊読みました。 結婚をめぐる十箇条 ~修養学校の秋 サブリナ・ジェフリーズ / リズ・カーライル S・ジェフリーズは、長編と比べるとストーリーは単純だけど、この作者らしい楽しいロマンスでした。インドと英国のハーフで、…

微笑みはいつもそばに リンゼイ・サンズ

L・サンズのリージェンシーの新シリーズ。 いつもどおり、スラップスティック・コメディ風のロマンスでした。ヒーローは双子の兄で、邪悪な弟と違い正義感溢れる凛々しい男性です。ヒロインは本来はお転婆だけど、夫に虐げられ臆病になっている可哀相な女性…

すみれの香りに甘く誘われて エマ・ワイルズ

Ladies in Wainting の2作目、とは言っても他のシリーズのキャラクターもいっぱい出てきて同窓会状態。 この作者のいつものパターンで、2つのロマンスが同時進行していますが、主役カップルのロマンスが薄くて盛り上がりに欠ける気がします。最初の出会い…

地味秘書ジェーンの願いごと ヴィクトリア・ダール

この記事は登場人物について結構詳しく書いてあるので、ネタバレだと思う人もいるかもしれません。 前作に出てきたお堅い秘書がヒロインなのですが、実は元ヤンキーで、更生して昔の自分を捨て、堅実な家庭を築くことを目標に、高学歴なホワイトカラーの男性…

ハイランダーの天使 マヤ・バンクス

ヒストリカルもいけるM・バンクスのハイランダーもの、McCabe Trilogyの2作目。 前作同様、テンポよく読めて面白かったです。今作は愛し合っているのに添い遂げられない恋人たちの切ないストーリーでした。前作の最後で隣の氏族長の娘と結婚が決まったヒー…

唇はスキャンダル キャンディス・キャンプ

C・キャンプの最新シリーズ St. Dwynwen の1作目。 聖ドゥワインウェンは愛の守護聖人だそうで、作中では牧師の娘のヒロインが運営を手伝っている教会にその彫像が置かれています。最初のうちは、教会の厳かな雰囲気の描写や、ドゥワインウェンの悲劇的な物…

お気に召さない求婚 サブリナ・ジェフリーズ

嫁き遅れの姉妹が主役の Swanlea Spinsters シリーズの1作目。 この作者はストーリーの発想がユニークで面白いなあ。気の強いヒロインの話が多いから、好き嫌いはあるかもしれないけど私は良いと思います。今作は主役の2人とも相手に譲らない性格で、まさ…

黒髪の王子とダンスを リラ・ディパスカ

シンデレラをベースにしたロマンス。 L・ディパスカはカナダの新人作家で、おとぎ話を元にした官能的なロマンスが人気らしいです。1600年代のフランスを舞台に、フロンドの乱とかの史実も一応盛り込まれていて、Hotな作風が売りの作家さんにしてはストーリ…

奪われたキス スーザン・イーノック

今頃読みましたが2008年刊行のS・イーノックのリージェンシー・ロマンス。 この作者のヒストリカルで最初に翻訳されただけあって面白かったです。年寄りの公爵の死亡事件に巻き込まれたヒロインが、ヒーローに助けを求め一緒に行動するうちに恋に落ちるスト…

バラの香りに魅せられて ジャッキー・ダレサンドロ

そこそこ人気がある、中堅ロマンス作家のJ・ダレサンドロ。 ヒストリカルにしてはおちゃらけたストーリーですが、気楽に読めて面白かったです。各章の頭に、ヒロインが愛読しているという、"女性のためのガイドブック"の抜粋があるのですが、これがまた、近…

夜明けを待ちわびて J・R・ウォード 裏切りの刃 リンダ・ハワード 他

ヴァンパイアのシリーズが人気のJ・R・ウォードが別のペンネームで書いた普通の(?)ロマンス。 いかにもハーレクインという感じのストーリーで、子供の頃の不幸な境遇のせいで人を信じられない富豪の男性と、貧乏だけど美人で優しくて天使のような女性のロ…

あなたに出逢うまで ジュディス・マクノート

J・マクノートの最後のリージェンシー・ロマンス。 「とまどう緑のまなざし」は比較的最近読んだからまだ記憶に新しいのですが、「とまどう~」の最後のほうに、今作のヒーローと、年寄りの貴族に嫁がされる薄幸の女性とのロマンスが少し書かれていたので彼…

凍てつく夜のささやき スーザン・ブロックマン

Troubleshooters 10作目。 シリーズ10作目ともなると登場人物も増えて、かなりの大所帯になっています。今作は、あらすじではヒーローが2人の女性に惹かれて三角関係になるとのことでしたが、三角どころか四角、五角に縺れてややこしいことに。(面白いけ…

英国紳士のキスの魔法 キャンディス・キャンプ

Willowmere 3部作の2作目。 テンポよく読めて楽しかったけど、この作者が書いた中では普通かなあ。前作もそうだけど、あまり印象に残らない内容だと思います。キャラクターの造詣も特別際立った特徴はないし、出会ってすぐに一目惚れしちゃって、ロマンス…

凍てつく瞳の炎 ローラ・リー

エリート作戦部隊シリーズも5作目まで来て残すはあと1作。 今作はいつもと少し趣向が違い、大がかりな犯罪組織やテロリストと戦うわけではなく、建設会社の社長が関わる殺人事件をヒーローがほぼ単独で捜査する、割とこぢんまりとしたミステリーでした。ま…

優しい午後にくちづけて リサ・クレイパス

ハサウェイ家シリーズ最終作。 戦争で傷ついた軍人のヒーローと彼のトラウマを癒すヒロインのロマンスは、多くのロマンス作家が書いている定番の題材だと思うけど、そういえばL・クレイパスは軍人のヒーローはこれまで書いていなかったっけ。(違っていたら…

偽りのあなたに真実の誓いを サラ・マクリーン

復讐に燃えるダークなヒーロー。 これはかなり面白かった!新シリーズの1作目ですが、前のシリーズの最終作で公爵と婚約を解消した女性がヒロインです。前の3部作はどちらかと言うとユーモラスな雰囲気でしたが、今作は財産を失い復讐に燃えているヒーロー…

野に咲く乙女に口づけを ジュリア・クイン

J・クインの初期作。 3部作の最終話で、前作、前々作で名脇役だったダンフォオードがヒーロー、ヒロインは彼の被後見人で、田舎のお転婆娘ヘンリーです。前半の田舎の領地での2人のやりとりが笑えました。ズボンをはいて地所を管理していた男まさりのヒロ…

ハイランドの美しき花嫁 マヤ・バンクス

マヤ・バンクスのHotな中世ロマンス。 M・バンクスのヒストリカルってどうだろう?と、あまり期待せずに読みましたが、意外なことに、とても面白かったです。この作者の著作を全部読んでいるわけではありませんが、3兄弟もの(?)や、サスペンスのシリーズよ…

夜に招かれた守護天使 ジュリー・ガーウッド

サスペンスに中世ものやウエスタンまで色々書いているジュリー・ガーウッドのリージェンシー・ロマンスで、Crown's Spiesシリーズの2作目。 ずーっと昔に、この作者の「心打ち砕かれて」と「標的のミシェル」を読んだけれど、ストーリーが間延びしていてイ…

レディ・ホイッスルダウンからの招待状 ジュリア・クイン他

レディ・ホイッスルダウンは招待状は出していませんが、いつものように辛辣なコラムを書いています。原題は STAR WARS 帝国の逆襲にちなんでいるそうな。 このアンソロジーはジュリア・クイン以外の作家は特別好きではないけれど、話がリンクしていて全部読…

孤高の不良公爵 ハイディ・ライス

Yahoo!ブックストアの電子書籍が無料だったので読んでみました。たいした感想はないです。 これ、訳文があまりハーレクインらしくない気がしたんですよね。というのはヒーローが自分のことを「俺」と言い、ヒロインを「おまえ」と呼んでいたから。私がこれま…

とまどいも覚悟も愛も ジーナ・グレイ

先日感想を書いた「ためらいと涙とキスと」の続編。 前作は少しサスペンス風味でしたが、今作はそういう要素はなく、心に傷を持つヒーローとしとやかで優しいヒロインの切ないロマンス。とは言っても、"女らしくて天使のような"ヒロインにしては、結構大胆な…

花嫁学校は淑女になるために シェリル・アン・スミス

新人ロマンス作家のデビュー作。 娼婦を更生させて結婚相手を世話する学校を営んでいてるヒロインのお話。ユニークな設定でそれなりに面白い(いつもこんな感想ばかり・・・)けど、全体的に大味で、勢いはあるけど細かいところは適当な感じ。元娼婦の生徒た…

恋の予感は突然に マリー・フォース

この記事には、本の内容をかなり書いてしまったので、ネタバレが嫌な方は読まないほうがいいと思います。 この作者は本国では人気があるのか、ここ数年でたくさんの作品が刊行されているようです。タイトルから、ユーモラスなラブコメかなと思ったのだけど、…

サンリオ出版の古いロマンス小説

先日、ローズマリー・ロジャーズの「秘密の花嫁」を読んで面白かったので、この作家の古い作品を入手して読んでみました。 「ラブ・ジャングル」というタイトルで、ヒストリカルではなく現代のお話だったんだけど、いや~参った。「秘密の~」と同じ作家が書…

ためらいと涙とキスと ジーナ・グレイ 他

89年に刊行されたものを文庫化。 再販されただけあって、一昔前に書かれたにも拘らず、今読んでも面白いです。犯罪が絡んだアクション・コメディ風のロマンスで、ヒロインは、事件に巻き込まれて失踪した双子の妹を探すため、妹の会社の上司と一緒に旅する…

雇われた婚約者 アマンダ・クイック

ワンパターンだけど面白いA・クイック。 ミステリーはあまり捻りはないけれど、マッド・サイエンティストや錬金術の話が出てきて独特な雰囲気でした。この作者はSFも書いてるから、ミステリーもこういうオカルト風が得意なのかな。ヒロインが鋭い推理で犯…

秘密の花嫁 ローズマリー・ロジャーズ

80年代の人気ロマンス作家の最新作。 私は初めて読みましたが、この作者は一昔前にはたくさん翻訳が出ていた往年の人気作家らしいです。昔はかなり個性的な作品を書いていたそうですが、この新作はオーソドックスなリージェンシーで、控え目な壁の花のヒロ…

泥棒伯爵にハートを盗まれて クリスティーナ・ドット

タイトルが紛らわしいけど現代のお話。 ヒロインは弁護士で、宝石泥棒の容疑をかれられているイタリア人伯爵のヒーローが、彼女が勤める法律事務所に弁護を依頼したことからトラブルに巻き込まれるというストーリー。テンポよく話が進んでいき楽しく読めまし…