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ロマンス小説の感想

罪深き七つの夜に エヴァンジェリン・コリンズ

罪深き七つの夜に (ラベンダーブックス) Seven Nights to Forever (English Edition)

ロマンティック・タイムズの「最も革新的なヒストリカル・ロマンス」賞に選ばれたというエヴァンジェリン・コリンズの初邦訳作品。  この作品、確かにヒロインが娼婦というのは革新的でしょうけど、お話自体は本当にシンプルな純愛もので、これだけ捻りのない作品も珍しいなあと思うくらいでした。  ラベンダーブックスはシャロン・ペイジを出したあたりからラインナップが微妙な感じになってきて、それでも新しい作家さんは一応1冊くらいは読んでみるのだけど、他の作品も読みたいと思えるような作家さんはあまりいないんですよね。その中ではエヴァンジェリン・コリンズは良い方だと思います。きれいにまとまっていて読みやすいし、ストレートな純愛だけど主人公が娼婦だけあって結構HOTだし、こういうのはロマンス小説の読者には割と受けが良いんじゃないかと思います。主役2人の心理が丁寧に描かれていて、どっぷりとロマンスに浸れる作品です。  ただ、私はもう少し捻りのあるストーリーのほうが好みなので、こういう作品は特別好きではないかな。ヒーローの妻にしても、あれだけ夫を嫌うからにはもうちょっと何か複雑な理由があってもよさそうなものなのに、性格の悪いヤな女ってだけなのは単純すぎという気がするし、ヒロインの弟やヒーローの妹とかの脇役のキャラクターをもう少し描き込んで話に幅を持たせても良かったんじゃないかなあと思います。  革新的っていうからどんな変わった作品だろうと思っていたけど、普通に読みやすいロマンスでした。