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ロマンス小説の感想

黒髪の王子とダンスを リラ・ディパスカ

黒髪の王子とダンスを (マグノリアロマンス) A Midnight Dance (Fiery Tales Book 1) (English Edition)

 

シンデレラをベースにしたロマンス。 L・ディパスカはカナダの新人作家で、おとぎ話を元にした官能的なロマンスが人気らしいです。1600年代のフランスを舞台に、フロンドの乱とかの史実も一応盛り込まれていて、Hotな作風が売りの作家さんにしてはストーリー性が高く、割と面白かったです。前半はかなり濃厚な場面が続き、(結構ねっちょりした感じの描写でした。)ずっとこの調子なんだろうかと思ったら、後半は登場人物がやけに増え、陰謀を暴く活劇風の展開になり、意表を突かれました。動乱の時代のお話だと歴史の描写に力を入れていてロマンスは薄めの場合が多いけれど、これは割と壮大な(大袈裟な?)ストーリーに濃いラブシーンが混ざった、今時のロマンスという感じでした。シンデレラ・ストーリーなら、身分差の恋に切なくなる部分がもうちょっとあると良かったけど、新人の作家さんにしては上手いほうだと思います。500頁超えの結構な長編だけど、割と中身のあるストーリーで、Hotだけど、S・ペイジとかK・ピアースみたいに(いまひとつ話についていけない)倒錯したロマンスではないから、安心して読めると思います。