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ロマンス小説の感想

とまどう緑のまなざし ジュディス・マクノート

とまどう緑のまなざし (上) (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション) とまどう緑のまなざし (下) (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション) Whitney, My Love (The Westmoreland Dynasty Saga Book 1) (English Edition)

 

J・マクノートのデビュー作。  11月にこの続編の"Until You"が出るらしいので、その前に、ということで読みました。いつものすれ違いロマンスで面白かったけど、この作者の初期作なので、もっと後に書かれた「あなたの心につづく道」や「その瞳が輝くとき」ほどは洗練されていない感じがしました。主役の2人とも、強情で意地っ張りで、自分で勝手に墓穴を掘っているから、すれ違いの切なさが少なかったように思います。ヒロインは少女の頃はものすごいお転婆だし、フランスで洗練されて帰って来た後も、思い込みが激しすぎる性格で共感度が少し低いかも。ヒーローも気性が激しく、ヒロインに優しくしたと思ったら激怒したり、ちょっと疲れる人でした。絶世の美女のヒロインは男性にモテモテで、初めのうちは成長して美しくなったヒロインが初恋の人を振り向かせる話なのかとも思ったけど違うようで、次にフランスで知り合ったニコラスがなかなか素敵な男性で、彼がヒーローでもおかしくない展開だと思っていたら、やはり、公爵のクレイトンが真打ち(?)だったのですが、そんな感じで最初のほうはイマイチ方向性が定まらない展開だったので、ロマンスに入り込みにくかったかもしれない。でもなんだかんだ言って上下巻を退屈することなく最後まで読めたし、この作者の他の作品と比べると見劣りするものの、十分面白い作品だと思います。最後のほうに取って付けたようにヒーローの弟のロマンスが書かれていましたが、"Until You"は彼が主役で、記憶喪失ものみたいだから面白そうで楽しみです。