タイトルが紛らわしいけど現代のお話。 ヒロインは弁護士で、宝石泥棒の容疑をかれられているイタリア人伯爵のヒーローが、彼女が勤める法律事務所に弁護を依頼したことからトラブルに巻き込まれるというストーリー。テンポよく話が進んでいき楽しく読めましたが、あまり内容に深みはなく、特に印象に残るような作品ではなかったなあ。そこそこ有名な作家さんなのでソツなくまとまっているとは思いますが。 とにかく軽ーいお話で、ヒロインは一応弁護士だけど依頼人と関係を持ってもそれほど気に病んでいる感じがしない。まあ実際、弁護士らしいことは全然していないけど。昔読んだリザ・スコットラインのリーガルサスペンスで、依頼人の男性に惹かれてしまい苦悩する女性弁護士の話(「代理弁護」ってタイトルだったと思う。)が面白かった覚えがあるんだけど、やっぱりそういう葛藤があるほうが話が盛り上がるんじゃないかなあ。 ヒーローが宝石泥棒ってことで思い出したんだけど、泥棒関連のロマンスだったら、ヒロインが美術品泥棒の「恋に危険は」(スーザン・イーノック作)のほうが面白かったです。