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ロマンス小説の感想

レディ・ホイッスルダウンからの招待状 ジュリア・クイン他

レディ・ホイッスルダウンからの招待状 (ラズベリーブックス) Lady Whistledown Strikes Back

レディ・ホイッスルダウンは招待状は出していませんが、いつものように辛辣なコラムを書いています。原題は STAR WARS 帝国の逆襲にちなんでいるそうな。  このアンソロジーはジュリア・クイン以外の作家は特別好きではないけれど、話がリンクしていて全部読まないと完結しないのが面倒なところです。  今作は第1話がJ・クインだったので出だしは良かったのですが、2話目のミア・ライアンは普通、3話目のスーザン・イーノックはイマイチでだんだんモチベーションが下がってきました。最後のカレン・ホーキンスはまあまあ面白かったので、少し挽回して読了しましたが、やはり最初に一番面白い話をもってくると、どうしても残りがかすんでしまうので、この順番はイマイチという気がします。  それからストーリーの構成上、同じ場面が繰り返される部分がありますが、描写の仕方がほぼ同じなのでつまらない。こういうのは「あの時別のカップルはこう思っていたんだ!」みたいなのがないと面白くないなあ。 J・クインは短編でも流石に面白く、金持ちの伯爵令嬢と男爵の次男で貧乏な元軍人とのロマンスが切なくて良かったです。まあ、看板作家なので当然ですが。  S・イーノックの話は、ヒーローが放蕩者でヒロインは両親に彼との交際を反対されていて、ロミオとジュリエット風のロマンスでしたが、登場人物の魅力が乏しく話の展開もありきたりでした。  K・ホーキンスはストーリーに一捻りあって割と面白かったのですが、ロマンスとしての盛り上がりはいまひとつかも。ヒロインの兄が面白いキャラクターで良い味出していて脇役にしておくのがもったいないくらいでした。この話で盗難事件も解決するし、盛りだくさんな内容でした。好きな作家ばかりのアンソロジーなんてそうそうないからこんなものでしょう。ジュリア・クインが読めて良かったです。