L0VE DRUNK

ロマンス小説の感想

はじめての恋をあなたに奏でて ジュリア・クイン

はじめての恋をあなたに奏でて (ラズベリーブックス) Just Like Heaven (Smythe-Smith Quartet)

 

J・クインの最新シリーズ Smythe-Smith 四部作の一作目。  ブリジャートンシリーズによく出てきた、楽器が下手なのに演奏会を開いている一家のお話ですね。あまり捻ったところもなく普通に楽しいロマンスでした。幼馴染で兄と妹のような関係だった2人が恋に落ちるというパターンで、ヒーローがひどい怪我をして、ヒロインが一生懸命看病しているうちに自分が彼を愛していることに気づくという展開が、定番ながらロマンティックで良かったです。多少のすれ違いはあるものの大きな波乱はなく、ちょっとした日常のエピソードや、にぎやかな親戚たちとの会話で話が進んでいきます。少し人見知りのヒーローと優しいヒロインのロマンスが微笑ましく、心温まるお話でした。恋する2人の気持ちが丁寧に描かれてるし、会話も楽しいのでサクサク読めますが、強いて言えばストーリーにもう一波乱あっても良かったと思います。  原書の表紙では、女性が赤い靴を履いていますが、なるほど、この赤い靴のエピソードは他愛ないことですがヒーローの気持ちが伝わってきて素敵だったので、表紙を考えた人はなかなか良い仕事をしたなと思いました。日本語版の表紙はヒロインの目の色に着目したんでしょうね。次作は、今作ヒロインの兄が主役だそうで、こちらはなかなか大変な人生を送っている男性なので、どんな話になるのか楽しみです。