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ロマンス小説の感想

偽りの求婚に恋の賭けを サラ・マクリーン

偽りの求婚に恋の賭けを (ラズベリーブックス) One Good Earl Deserves a Lover: The Second Rule of Scoundrels (Rules of Scoundrels Book 2) (English Edition)

 

メガネをかけた学者肌のヒロインと辛い過去のある賭博場経営者のヒーロー。  学問好きなヒロインと孤独なヒーローのロマンスで、よくある設定ながらキャラクターが活き活きと描かれていて面白かったです。結婚前に夫婦の営みについてリサーチするために、ヒーローに共同研究者になってほしいと頼みに来たヒロインの天然カマトトぶりが笑えます。ロマンティックな場面で、「・・・惹きつけられていて・・・あなたの骨に・・・。」などと言うのがケッサクでした。兄の事故死に責任を感じて罪悪感に苦しみ続けているヒーローが暗いので無邪気な彼女との組み合わせが良かったです。それでも、自分には幸せになる資格がないと、頑なに身を引こうとする彼のネガティブ思考にはちょっと辟易させられましたが・・・。  ヒロインのほうも、婚約者がいる身でありながら、自分の学問好きをバカにしない知性的なヒーローに惹かれていき、「あなたと先に出会っていたら・・・。」という展開が切なくて良かったです。賢い彼女と対等に渡り合えるヒーローの博識さがちゃんと会話から伝わってくるのが良いですね。こういうキャラクター造詣の細やかさは流石です。  肝心の、ヒロインの"研究"については、彼女には手を出してはいけないと自制して言葉攻めにするヒーローと、心の中で私に触れてほしいと切望するヒロインとのやりとりに、かなりドキドキさせられました。彼女が欲しくてたまらないのに必死で堪えるヒーローが良かったです。ヒロインの婚約者が、それほど賢くはないけれど優しくて良い人で、最後には彼女に協力して活躍する場面もあって後味も良かったです。熱気が伝わってくるような賭博場の描写も良かったし、長いけれど飽きることのないストーリーで楽しく読めました。最後のプロポーズが少し唐突で惜しい気がしたかな。次作は殺人犯だと言われている公爵が主役とのことで、それも面白そうで楽しみです。