L0VE DRUNK

ロマンス小説の感想

狼のキス ジェイン・サリヴァン 他

キス・オブ・ラブ (MIRA文庫) 今だけは抱きしめて (ハーレクイン・テンプテーション)

 

割と面白かったハーレクイン小説。  2話収録の「今だけは抱きしめて」の1話目、ジェイン・サリヴァン作の「狼のキス」が面白かったです。バウンティ・ハンターのヒーローが、雪の日に車をお金を盗まれて立往生している女優志望のヒロインを助けるところからストーリーが始まり、一文無しになったヒロインは、しばらくの間ヒーローの仕事を手伝うことになるのだけれど、向こう見ずな行動で危険な目に遭ってばかりで、いつも彼が救出に駆けつけて・・・これってJ・イヴァノヴィッチに触発されて書いたのかしら。この主役の2人って何だかステファニー・プラムとレンジャーみたい。でも短い中にも起承転結がきっちり書かれていて、起伏あるストーリーが面白かったです。なかなか上手い作家さんだと思ったら、どうやら現在はジェーン・グレーヴズというペンネームで長編ロマンスを書いているらしい。そういえば、文庫の「10ドルチップの奇跡」という作品を前に読んでいたことに気付きました。「10ドル~」も割と面白かったんだけど、キャメロン・ディアスのラブコメ映画で見たようなストーリーだったのよね。この作者はストーリーのオリジナリティの点ではイマイチだけど、ありがちな話を面白く書いて上手にまとめているから、それなりにスキルのある作家さんだと思います。「狼のキス」はMIRA文庫のアンソロジー「キス・オブ・ラブ」にも収録されています。

10ドルチップの奇跡 (RHブックス・プラス)

 

ついでにこれも面白かった。

嘘つきな薬指 (ハーレクイン・アフロディーテ)

ナンシー・ウォレンは数冊読みましたが、これはかなり笑えました。セクハラに遭って会社をクビになったヒロインは、嫌な男が言い寄ってこないように結婚しているフリをするのですが、新しく就職した会社の社長に結婚のことを聞かれて、とっさにトム・クルーズみたいな夫をでっち上げるところが爆笑ものでした。この社長がヒーローなのだけど、既婚者の女性に惹かれてしまって悩むところが憐れっぽくて同情してしまいます。笑えるロマンスを読みたい時におすすめです。