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ロマンス小説の感想

さる上流婦人の憂鬱 マヤ・ローデイル

さる上流婦人の憂鬱 (マグノリアロマンス) A Tale of Two Lovers (Writing Girls Book 2) (English Edition)

 

ゴシップ記者のヒロイン。  未亡人のヒロインは匿名で貴族のゴシップを書いている新聞記者なのですが、やっていることが低俗なパパラッチみたいで何だか性格悪そう。放蕩者の夫との悲惨な結婚生活のせいで辛辣な女性になってしまったらしいので、そういう心の痛みが描かれていたらもう少し共感できたかもしれませんが、これでは自己チュー女としか思えないなあ。ハンサムで女遊びの好きなヒーローは、父親から結婚しないならもうお金をやらないと脅され、貧乏は嫌だから仕方なく結婚しようとしていたところに、ヒロインに男色家だとほのめかす記事を書かれ、社交界でのけ者にされてしまい結婚相手を探すことが出来なくなってヒロインを恨んでいるという、これまたしょうもない放蕩者で、作者はこれだけ印象の悪い2人を主役にどんなロマンスを書くのだろうかと違う意味で興味を引かれましたが、読んでみると2人とも行動がハチャメチャすぎて笑うに笑えずイマイチ面白くなかったです。  後半は2人がお互いに評判を守るため仕方なく結婚した後に愛情が芽生えていく様子を描いていますが、愛し合うようにはなっても相変わらずあまり成長しない2人で前半と比べて特に好感度が上がることはありませんでした。どっちもどっちでお似合いの2人だとは思いましたが。ヒロインのライバルで"街の紳士"と名乗る記者の正体を巡るストーリーも今一つで、結局彼の正体が明らかになっても、それ誰?という感じであまり盛り上がらなかったし、ダメ男と性悪女の話でも、2人がちゃんと人間的に成長していくところを描いてくれたら良かったのですが、読みどころのない残念なストーリーでした。