L0VE DRUNK

ロマンス小説の感想

さらわれた公爵家の花嫁 キャット・マーティン

さらわれた公爵家の花嫁 (ラベンダーブックス) Nothing But Velvet (Litchfield) (English Edition)

 

冤罪で投獄されたヒーローの命がけのリベンジ。  この作者のいつもどおりのサスペンス風ロマンスで面白かったです。腹違いの弟に嵌められて父親殺しの濡れ衣を着せられた気の毒なヒーローが復讐するストーリーにハラハラさせられました。このヒーローの弟が恐ろしく残忍でこれぞ悪役という感じなので復讐劇も大いに盛り上がるというものです。何も知らずにその極悪人と結婚するところだったヒロインをヒーローが誘拐したことから彼女も陰謀に巻き込まれ、ヒーローと恋に落ち、彼の冤罪を晴らすために奔走するわけです。ヒロインがかなりテンパっていて、無謀な行動で窮地に陥り事態を引っ掻き回していますが、まあそれもサスペンスの醍醐味ということで。ヒロインがピンチの時には必ずヒーローが白馬の騎士のように救出に駆けつけるのがこの作者のパターンなので、意外性はないけどロマンスとしては安心して読めます。ヒロインのかわりに悪人と結婚することになってしまった可哀相な女性と彼女を見守る伯爵とのロマンスにも興味をそそられたし、殺人犯として投獄されたヒーローのくぐり抜けてきた悲惨な状況が最後に明かされてかなりインパクトがあったし、盛りだくさんなストーリーで退屈する暇なく最後まで読めました。サービス精神旺盛な(?)作者だからラブシーンも多めで(18世紀の伯爵令嬢がそんなに奔放で良いのかという気はしますが)、エピローグでもイチャついている2人なのでした。