L0VE DRUNK

ロマンス小説の感想

この手はあなたに届かない J・R・ウォード

この手はあなたに届かない (mirabooks) His Comfort And Joy (Silhouette Special Edition)

 

Moorehouse Legacy  純朴な田舎娘のヒロインと、都会で大物政治コンサルタントとして活躍しているヒーローの恋物語。両親が不仲で冷たい家庭で育った孤独なヒーローが、純真で家族思いなヒロインに惹かれながらも、愛を信じられずに葛藤する切ないストーリー・・・なのですが、ヒーローの暴走ぶりが強烈すぎてコメディかと思いました。自分は清純な彼女にはふさわしくないと思いながらも、ヒロインを見る度に下半身が反応してしまうヒーローが笑えます。勝手な思い込みで彼女をアバズレだと決めつけたり、そうでないとわかった途端に勝手に婚約指輪を買いに行ったり、一人でパニクってトンチンカンな行動に走っています。これほどコミュニケーション能力の欠如した人間が政界の大物だなんて、アメリカの政治は大丈夫なのか?!と思わずにいられません。始終テンパっていて、一緒にいたらかなり疲れそうなヒーローですが、次は一体何をしでかすのだろうと気になって目が離せません。こんなメンドクサイ男を想い続けているヒロインは何て奇特な人だろうと思いますが、それが恋というものなのでしょう。典型的なハーレクインのストーリーですが、誇張気味な人物造形がキャラクターに存在感を与えていて面白かったです。