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ロマンス小説の感想

レディはならず者に守られて テッサ・デア

レディはならず者に守られて (ラベンダーブックス) A Lady by Midnight (spindle cove Book 3) (English Edition)

 

Spindle Coveシリーズ3作目。  先に読んだS・ジェフリーズがかなり面白かったので、その後に読んだこちらが少し霞んでしまったけれど、これはこれで良かったです。1作目から気になるキャラクターだった無口な伍長と顔にあざのある音楽教師のロマンス。一捻りあるシンデレラ・ストーリーで、先の読めない展開でした。  ヒーローは口下手で、甘い言葉を囁いたりはしないけれど、言葉よりも行動で示すタイプで、ヒロインをいつも大切に見守っているところが素敵でした。ロマンスのヒーローは、口下手なはずなのに何故か雄弁に愛を語り出したりして、オイ、十分口達者じゃないか?!と思うことも多いですが、このヒーローは本当にぶっきらぼうで、セリフも言葉を飾ることなくストレートです。そのかわりに音楽教師のヒロインが、芸術家らしくロマンティックな言葉でヒーローに想いを伝えていて、うまくバランスがとれたカップルでした。  ヒロインの出生の謎が少しずつ明らかになっていくストーリーが興味深く、突然現れた彼女の親戚たちも個性的なキャラクターばかりで楽しく読めました。(親戚たちについては、決闘ばかりしている侯爵に、レズビアンの令嬢と、変わり者揃いだったけれど、脇役なので表面的な説明しかなく、いまひとつ掴みどころがなかった気もしますが・・・。)ありきたりなシンデレラストーリーとは一味違うロマンスで、作者の個性が感じられる作品でした。