L0VE DRUNK

ロマンス小説の感想

虹色にきらめく渚で リサ・クレイパス

虹色にきらめく渚で (ライムブックス) Rainshadow Road (Friday Harbor)

地味だけど心温まるストーリー。  シリーズ前作よりは頁数が増えていましたがサラッと読める現代物で、まさかのファンタジー風ストーリー。この作者がこういうのを書くと思わなかったのでびっくり。とは言え魔法はかくし味程度で、恋愛に臆病な2人が出会ってゆっくりと恋に落ちていく和やかなロマンスでした。  ガラス工芸家のヒロインは心配性で潔癖な性格の繊細な女性で、ワイン用のブドウ園を営んでいるヒーローは仕事熱心で家族思いな優しい男性で、とても素敵なカップルでした。恋人に捨てられて自信を失っているヒロインと、自分は結婚に向いていないと思い込んでいるヒーローなので、ロマンスには慎重な2人ですが、そのじれったい感じが良かったです。ヒロインが怪我をしてヒーローが看病することになったりするのはいかにもな展開で、全体的に意外性はないものの綺麗にまとまっていました。L・クレイパスの他のシリーズと比べるとあっさりした印象ですが、地味ながらもキャラクター描写は丁寧で、ヒーローが科学オタクだったりするのが微笑ましかったです。最後まで楽しく読めました。