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ロマンス小説の感想

ハイランドの略奪された乙女 マヤ・バンクス

ハイランドの略奪された乙女 (マグノリアロマンス) Highlander Most Wanted: The Montgomerys and Armstrongs (English Edition)

 

M・バンクスのハイランダーもの最新作。  今作は、ここまで悲惨な境遇は滅多にないというくらい徹底的に虐げられたヒロインの痛ましいストーリーでした。この作者のこれまでの中世ものと同様、猛々しいヒーローが健気なヒロインに熱烈に恋してロマンスも大いに盛り上がります。家族愛、兄弟愛でも泣かせ、困難を乗り越え皆が幸せになって大円団という爽快なストーリーは、とても読みやすく人気があるのもうなずけます。  ・・・と褒めてばかりではつまらない(?)ので、ちょっと辛口な意見も書くと、この作者のハイランダーものはあまり時代性が感じられず、登場人物の思考も現代的なのよね。例えばヒーローのセリフで、「きみはおれの血管を流れる麻薬だ。まったく克服したくない中毒だ。」というのがあって、ロマンティックだとは思いますが、それって完全に現代人の感覚じゃないかと・・・。まあ、時代考証云々は脇に置いて、今の時代の感性で書くのもアリだと思いますし、案外そのほうが読者は共感しやすいのかもしれませんが・・・。  スピード感があってテンポの良いストーリーなので、あまり細かい事は気にせずに読むのが良いかと思います。前作が気に入った人なら今作も楽しめると思います。